いとおしい病気(さなだて)
甘噛みというには優しくない愛情表現に思わず眉をしかめると
皮膚を食い破るか否かの絶妙なタイミングで牙を離し舌を這わせてくる。
大きな猫殿はどうやら暇を持て余しているようなので
仕方なく彼を膝の上に乗せて白い頬を手の甲でなぞってやった。
上目でこちらを覗きこんでくる、彼の目が好きだ。
孤高でないくせに(真田主従)
口元にゆるく笑みを引いて
のらりくらりと取り止めのない話をして
気づけば目前からいなくなってしまう。風のように。
そうやっていつも俺を拒むのだなお前は。
馴れ初めの仮初め(さなだて)
遠くに咆哮を聞いた。
すると少し後れて向こうに大きな火柱があがり
ここいら一帯にまで熱と砂とがぶわりと押し寄せてくる。
なぜだか自分を呼んでいるような気がして
気づけば立ち上る炎の中心めがけ駆け出していた。
唇が泣いている(伊達と佐助)
眼帯の向こう側がもぞもぞと動いている。
ぽかんと口をあけた自分をみて、彼は笑った。
いつものように、口の片方だけを上げるのではなく
目尻にたくさんしわを寄せたくしゃくしゃの笑い方だった。
悲しいときの方が綺麗に笑えるんだと思って
なんだかとても悲しくなった。
甘いのはきらい(真田主従)
美味しい団子はいかがでしょうか?
機嫌取りのつもりならばいらぬ。
じゃあ俺が食べちゃうね。いただきまー・・・
うん、旦那分かったから。
お願いだしそんな目でこっち見ないで。
※タイトル※
はだし様(http://nobara.chu.jp/sss/index.html)