ただ無邪気(真田主従)
お前の髪は赤くていい色だと主は言う。
まるで夕陽のようだとうっとり目を細める。
一房、指に絡めてそのまま口づけようとしたので慌てて離れた。
なぜ逃げるのだ。そうして、ひどく拗ねたような表情をする。
まるで子供だ。気まぐれに触れて、いつかきっと離れてゆくのだろう。
なぜだか気分がひどく悪い。



しらないままでいて(さなだて)
首を、頂戴致したい。
出来るものなら、今すぐ手足をもぎ取って
その身を力いっぱい抱きしめてしまいたいのだ。
そういえば庭に寒椿が咲いていた。
彼の黒くつややかな髪に差してやれば
それはそれは美しく映えることだろう。
春はまだ遠い。けれど彼には冬の白が似合うと思う。



どうせ交わらない(真田主従)
旦那のようにはなりたくないと常々忍びから言われていた。
暑苦しいわ、世話はかかるわ、大飯食らいだわ、理由をあげれば
本当にきりがないということだったが、こちらから言われせれば
己も忍びのようになどなりたくなかった。だって、思いきり戦えないではないか。
決して佐助のようになりたくないと言っているのではない。



邪魔なあまえたさん(慶さす)
「うわ、外、さむっ!」
「そうやって口に出すから余計に寒く感じるんじゃない?ちょっとは我慢しなよ。」
「我慢なんてしたらそれこそ余計に寒いって!あーーー寒い寒いさむ」
「煩い。」
「・・・ごめんなさい怒んないで佐助。」
「慶くん俺らは何しに外に来たの。いいから黙って雪かきしなさい。 」





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はだし様(http://nobara.chu.jp/sss/index.html