真昼の逆襲
名前を呼ばれて振りかえると
顔に冷たい衝撃が走った。
反射的に閉じてしまった目を恐る恐る開けると
少し向こうにいる元親と家康がこちらを指差し大笑いしている。
元親は手元に長い緑色のホース。
その小さな口からは勢いよく水が噴き出していた。
頬や髪からぱたぱたと肩に水滴が落ちていくのを感じながら
政宗は右の拳をぎりりと握った。
「毎日暑い暑いとダレているお主に、儂たちからの暑中見舞いだ!」
「ちったあ涼しくなったかー?」
不意打ちに水を掛けてきたにも関わらず全く悪びれもしない言いように
政宗はいよいよ眼光鋭くし、盛大に舌打ちをした。
「…お前ら、上等じゃねえか」
そう言うが早いか一気に二人に詰め寄り
元親から強引にホースを奪い取る。
そうしてにやりと人の悪い笑みを浮かべホースの標準を二人に合わせて
躊躇なく水をぶちまけた。やられたら3倍返し。それが政宗のモットーだ。
全身に水を浴びた元親と家康は横暴だやりすぎだと政宗に言い寄ったが
すっかりずぶ濡れになった互いを認め合うると、誰からともなく盛大に笑い転げた。